新规多段阶反応型酸化触媒の开発 创薬に向けた合理的な生合成リデザインの一歩


结晶构造解析に基づいた酵素改変によって新规有用酸化触媒を创出することができます
© 2018 Ikuro Abe.
东京大学薬学系研究科の阿部郁朗教授と中嶋优大学院生らの研究グループは、天然物の复雑骨格形成を触媒する酸化酵素に着目し、その结晶构造解析に基づく酵素改変実験を行うことで、多段阶反応を触媒する新规酸化酵素の创出に成功しました。活性物质を合成する新规生体触媒の创出によって、酵素工学の手法を用いた创薬研究へと応用されることが期待されます。
α-ケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼ酵素ファミリーは、糸状菌メロテルペノイドの複雑骨格の形成に関わる鍵酵素です。その中には、多段階の酸化ステップを触媒するものがいくつも存在し、その反応メカニズムに興味が持たれていました。興味深いことに、同酵素ファミリーのAusE、 PrhA両酵素は、78%の高い相同性を持ち、preasutinoid A1を共通の基質として受け入れるものの、異なる多段階酸化反応を触媒し、それぞれ異なる骨格の生成物を与えることが知られており、両者の比較によって、この酵素ファミリーの触媒能の理解につながる重要な知見が得られることが期待されました。
これら酵素の反応性の差異を生むアミノ酸残基を明らかにすべく、両酵素のX線結晶構造解析が行われました。その結果、両酵素共に2.1?の分解能で構造決定が行われました。その基質結合部位周辺のアミノ酸残基の比較を行った結果、二酵素間で異なる3つの残基が見出されました。これらを入れ替えた変異体を作成し、in vitroにて詳細にその反応を解析した所、AusE、PrhA両酵素触媒能の相互変換に成功したことが判明しました。それに加えて、PrhA変異体は野生型反応から、さらに2-3回酸化反応が進んだ新規酸化型メロテルペノイド化合物を与えることが明らかになりました。
「私たちは今回、齿线结晶构造解析に基づいて见出したアミノ酸残基に変异を加えることで、新规な多段阶反応型酸化触媒の创出に成功しました」と阿部教授は话します。「活性物质を合成する新规生体触媒を用いた物质生产法を开発することで、薬学研究に贡献できれば」と期待を寄せます。本研究は、新学术领域「生合成リデザイン」、闯厂罢/狈厂贵颁日本-中国戦略的国际共同研究プログラム「植物共生菌相互作用の包括的利用による二次代谢产物の网罗的解析」研究活动の一环として行われました。
论文情报
Yu Nakashima, Takahiro Mori, Hitomi Nakamura, Takayoshi Awakawa, Shotaro Hoshino, Miki Senda, Toshiya Senda, and Ikuro Abe, "Structure function and engineering of multifunctional non-heme iron dependent oxygenases in fungal meroterpenoid biosynthesis," Nature Communications: 2018年1月9日, doi:10.1038/s41467-017-02371-w.
論文へのリンク ()