高机能自闭スペクトラム症の手指运动に见られる薬指优位 形态と机能の密接な関係


4本の指で力を発生し、合わせた力で画面上のカーソルを目標ラインまで移動させる(左図)。それぞれの指で発生した力の割合を、自閉スペクトラム症の患者と健常(定型発達)者で比較したところ、自閉スペクトラム症では薬指で発生した力の割合が高かった(薬指優位)。薬指優位の程度と社会性の指標(ADOS social score)は有意な相関が見られた(右図)。社会性の指標は値が高いほど重症度が高い。一つの丸は、一人の患者に対応する。
© 2019 東郷俊太?今水寛
东京大学、电気通信大学、昭和大学発达医疗障害研究所などの研究グループは、自闭スペクトラム症の手指运动において、顕着な薬指优位の倾向があることを明らかにしました。
自闭スペクトラム症は、社会的交渉やコミュニケーションなどに特异な点が见られる発达障害の一种です。多くの研究が、身体的な特徴として、人指し指と比较して薬指が长い倾向があることを报告しています。薬指の长さは胎児期に浴びたテストステロン(男性ホルモンの一种)に影响を受けます。これは、自闭スペクトラム症が「极端な男性脳」であるとする仮説と整合性があり、注目されてきました。
研究グループは、形态的な特徴だけでなく运动机能にも薬指の特异性は现れるのではないかと考えました。そこで、高机能自闭スペクトラム症の患者20人の协力を得て、亲指を除く4本の指で同时に力を出し、4本の指を合计した力で画面上のカーソルを动かすことを行ってもらいました。それぞれの指が出した力の割合を求めると、自闭スペクトラム症の患者では、健常(定型発达)者よりも、薬指で発生する力の割合が高いことが解りました(薬指优位)。运动における薬指优位は、形态的な特徴よりもむしろ顕着に见られました。また、薬指优位の个人差は、社会的交渉における临床指标と関连がありました。
本研究は、自闭スペクトラム症で知られている运动の特异性や、运动机能と社会的交渉?コミュニケーションなどの认知机能の関係を理解する上で重要な手がかりになると考えられます。
「単纯な运动に现れる特徴が、社会性を评価する指标と関连しているのは意外でした」と今水教授は话します。「今后は薬指优位と脳活动の関连を调べ、基础的な运动机能と社会性を结ぶメカニズムを検讨したい」と続けます。
本研究は、东京大学人文社会系研究科今水寛教授、电気通信大学の东郷俊太助教、昭和大学発达障害医疗研究所の桥本龙一郎客员教授と板桥贵史讲师らの共同研究成果です。
论文情报
Shunta Togo, Takashi Itahashi, Ryuichiro Hashimoto, Chang Cai, Chieko Kanai, Nobumasa Kato, Hiroshi Imamizu, "Fourth finger dependence of high-functioning autism spectrum disorder in multi-digit force coordination," Scientific Reports: 2019年2月11日, doi:10.1038/s41598-018-38421-6.
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