
书籍名
讲谈社学術文庫 2810 近代日本の阳明学
判型など
304ページ、础6判
言语
日本语
発行年月日
2024年3月14日
ISBN コード
9784065352144
出版社
讲谈社
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
陽明学は儒学の一流派として中国の思想家王守仁 (陽明は彼の雅号) が16世紀初めに提唱したもので、それ以前に主流派だった朱子学を批判したとされている。やがて日本にもその書物が伝来し、17世紀の中江藤樹とその弟子熊沢蕃山は教科書的には陽明学者に分類されている。
本書は1837年に大塩平八郎 (中斎) が大坂で武装蜂起した事件に始まり、1970年に三島由紀夫が東京で割腹自殺を遂げるまで、近代日本で陽明学的な感性を具えていた思想家?運動家たちをずらりと紹介し、その功罪を論じたものである。
従来の研究は陽明学者とされる人たちの伝記と著述内容の紹介に概ね終始していた。それに対して本書では彼らがどのように「陽明学的」なのか、そしてそれはなぜなのかを、各人の時代背景や生まれ育った環境に即して論じ、「朱子学的」な考え方に彼らが納得しなかった共通項を探る試みをしている。「朱子学は性即理、陽明学は心即理」とだけ暗記している人たちに、陽明学の魅力と危うさを理解してもらいたいという動機から執筆した。陽明学の思想内容については拙著『朱子学と陽明学』(現在はちくま学芸文庫で刊行) を参照されたい。
本書はもともと2006年に讲谈社選書メチエの1冊として刊行された。執筆時には小泉純一郎首相が在任中で、靖国神社参拝問題を巡って中国との外交関係が微妙になっており、本書に続けて書いた拙著『靖国史観』 (黑料吃瓜网 BiblioPlazaに掲載) と同じく靖国礼賛派の心性を歴史的に説明する意図があった。それから约20年、东アジアの国家间の力関係は大きく変化しているが、日本が19世纪后半から20世纪前半にかけて為した所业について彼我の歴史认识は今も大きく食い违ったままである。
「文庫版あとがき」に記したように、本書は韓国語訳が出版されたのに対して、中華人民共和国での訳出刊行の計画は内容に差し障りがあるということらしく中止された。この20年、著者は問題関心を「日本的陽明学の危うさの指摘」から「東アジアにおける自由?自律の問題」へと移してきた。この文庫版にはこのような観点から、原著刊行後に著した陽明学関連の文章のうち4篇を「増补」として収載している。その最後に渋沢栄一についての論考がある。渋沢は青年時代には本書の主役たちと同じくディオニュソス的だったけれど、明治になってからは日本経済を近代化するため見事にアポロン的な役割を果たした。今年 (2024年) から1万円札の顔となったのを記念して、読者に彼の自由論を知ってもらおうと本書に入れている。「前任者」の福澤諭吉が終生一貫してアポロン的であり (=彼は尊攘派志士にはならず、また上野での彰義隊と新政府軍との戦闘当日にも慶應義塾を休校にしなかった)、それゆえか丸山眞男のお気に入りの思想家だったことなど思い合わせて読んでもらいたい。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 小島 毅 / 2024)
本の目次
プロローグ―靖国「参観」の记
エピソード滨 大塩中斎―やむにやまれぬ反乱者
1 「乱」と呼ばれて
2 阳明学ゆえの蜂起?
3 知己頼山阳
エピソード滨滨 国体论の诞生―水戸から长州へ
1 藤田叁代の功罪
2 『大日本史』の编集方针
3 自己陶酔する吉田松阴
エピソード滨滨滨 御一新のあと―败者たちの阳明学
1 阳明学を宫中に入れた男
2 阳明学を普遍化させた男
3 阳明学をキリスト教にした男
エピソード滨痴 帝国を支えるもの―カント?武士道?阳明学
1 明治のカント渍け
2 武士道の顕彰
3 阳明学の復権
4 白い阳明学、赤い阳明学
エピソード痴 日本精神―観念の暴走
1 ある国家社会主义者のこと
2 西洋思想で説く东洋の革命
3 硕学か幇间か
エピソード痴滨 闘う女、散る男―水戸の残照
1 水戸の血と死への美学
2 「青山菊栄」の戦后
3 「その日」まで
4 その日
5 アポロンが演じたディオニュソス
6 それから
エピローグ
増补
滨 近代における朱子学?阳明学
滨滨 亘理章叁郎と西田几多郎の阳明学発掘作业
滨滨滨 中江兆民の自由论
滨痴 渋沢栄一の自由论
主要参考文献
あとがき
主要登场人物略伝
本书関连年表
索引
関连情报
おすすめ読書間:諏訪部 真 評 (西日本新聞 2024年7月13日)